行政セミナー

講演者：　森山 美知子 （広島大学大学院医系科学研究科（成人看護開発学）　教授）

演題：　データヘルス計画とポピュレーション・ヘルス・マネジメント：AIを活用した取り組み

日時：　2019年 10月25日（金） 13:15-14:45
場所：　薬学部宮本記念館コンベンションホール

講演概要：

我が国の医療は、フリーアクセスと自由開業制を特徴とし、医療サービスの需要と供給のバランスをコントロールする仕組みが内蔵されていないことから、医療費の増加を招きやすい構造となっています。われわれは、医療費の支払いに責任を持つ医療保険者に焦点を当て、医療者（特に看護師）の有する専門的な技術を用いて、疾病の発症・増悪を予防し、計画外の入院や透析等を回避することで医療費を適正化し、結果的に住民のQOLの向上を図ることを目指して研究・実践活動を行ってきました。目指すは、自律的に構築された医療者チームがリスクの高い人を適切に抽出し、予防的に治療・看護を提供し、需要と供給をコントロールし、医療保険者が適切な評価指標をもってベンチマークする仕組みです。本講義では、この実現に活用されるポピュレーション・ヘルス・マネジメントの実践とAIの活用について、また、このベンチャービジネスについてお話いたします。

本研究室は、バングラデシュのリーディング研究所International Centre for Diarrhoeal Disease Research, Bangladeshと共同研究を組み、地域において慢性疾患の疫学研究＋介入研究を行っています。現地の一般女性をコミュニティ・ヘルス・ワーカーとして育て、地域で、家庭を一軒一軒訪問し、日本で開発されたさまざまなディバイスや通信技術を用いて、ヘルスチェック、健康教育を行っています。加えて、この取り組みについてもお話ししたいと思います。

PDF: 20191025gs

※　企業・行政セミナー は、熊本大学所属者を対象としています。