行政セミナー
講演者: 姜 尚中 (熊本県立劇場館長/東京大学名誉教授)
演題: 想定外のリスクに立ち向かう知力
日時: 2019年 12月20日(金) 13:30-15:00
場所: 工学部百周年記念館
講演概要:
グローバル化の時代の特徴は、二つの相反する傾向の同時進行にあります。一方では、ビッグデータとアルゴリズムによる確実性と予測可能性の増大を求める傾向が進むとともに、他方でますます不確実性が高まり、「リスク社会」(W・ベック)に見られるように予測不可能なcontingency(不測の事態/想定外の事態)が頻発していることです。この問題を、熊本に在住している住民であれば、あの熊本地震で身をもって体感したのではないでしょうか。
津波や地震、暴風雨などの自然災害とともに、グローバル経済のシステム破綻も、地域的には災害と並ぶcontingencyをもたらすことになります。そのような事態が、社会を襲った時、私たちの知的な蓄積や体験は、どんな有用性を持ちうるのでしょうか。個人の、社会の「生存」はどのように維持されるのでしょうか。この問題は、文理の学問的な体系の違いを超えて、社会が総力で対処しなければならない課題です。
講義では、私が2001年、NHKの取材班と一緒に「国家破綻」に追い詰められた南米の新興国アルゼンチン社会を定点観測した番組を取り上げつつ、そうした課題に迫ってみたいと思います。
PDF: 20191220gs
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