講演者：　井芹　道一　（熊本日日新聞社　編集委員兼論説委員）
日時：　　３月８日（金）１０：２０－１１：５０
場所：　　医学教育図書棟３階第２講義室
演題：　なぜいま水銀が地球環境問題なのか？
－水銀問題にこだわって取材する理由

水銀問題は、古くて新しい地球環境問題です。しかし、日本では「水銀問題＝水俣病」と理解され、マスメディアも生活環境に存在する水銀については、報じてきませんでした。新しい問題に気づかなかったのです。
その結果、欧米と日本の間で、水銀に関する情報格差が生じています。日本は世界最悪の水銀中毒である水俣病を経験したのに、なぜでしょうか。
そうした中、この１月、国連環境計画（UNEP）の政府間交渉で約１４０か国が、水銀規制条約「水俣条約」の制定で合意しました。１０月に熊本と水俣で採択・署名式が開かれます。地球温暖化に続き、なぜ、いま水銀が地球環境問題となっているのか。なぜ地方紙記者の私が、外国に出向いて取材を続けているのかについて解説します。ローカルでグローバルに動くヒントになれば幸いです。