2016年熊本地震から4ヶ月余りが経ちますが、未だ完全には余震が収まらず、余震の回数は2千回を超えています。
ようやく市民の生活は元に戻りつつあるとはいえ、まだ復興はこれからが本番、長い道のりが予想されます。

 

私たち、熊本大学 博士課程教育リーディングプログラム「グローカルな健康生命科学パイオニア養成プログラムHIGO」(略称:HIGOプログラム)は、医学・薬学の知識をもちながら、熊本・九州・アジアで活躍できる「博士」のリーダーを養成しています。4月の熊本地震を受け、医学・薬学を学ぶ大学院として、地域に寄り添いながら、熊本復興に向けて何かをしたい!
そんな思いから熊本地震への対応や復興について学ぶインターンシップなども実施してきましたが、地震の専門家ではない私たちに単独でできることは限られています。

 

そこで、東日本大震災を経験した東北大学と連携して「市民公開講座」を開催することとなりました。
東北大学「グローバル安全学トップリーダー育成プログラム」(略称:G-Safetyプログラム)は、私たちHIGOプログラムと同じく文部科学省に採択された「博士課程教育リーディングプログラム」の仲間です。地震などに関する研究や震災からの復興現場での活動などで多くの実績があり、熊本地震に際しても支援や調査、情報発信などを積極的に行ってきました。
HIGOプログラムとG-Safetyプログラム。この2つの大学院プログラムで連携し、災害を経験した熊本大学と東北大学が、医学・薬学・理学・工学・文学の知を集め、地域の皆さんとともに、健康・安全・防災・減災について考えます!

プレ講座

熊本地震の直前、3月に放映されたNHKのブラタモリ(熊本城)にも出演した熊本大学の稲葉継陽教授の解説付きで、被災前の熊本城の映像をお届けします。稲葉教授が講演会でお話しする熊本城の震災の歴史と今後の復興をより深く理解してもらい、講演会を10倍楽しんでいただくために講演会が始まる前の時間帯にご用意しました。

講演会

東北大学の災害科学国際研究所の遠田晋次教授が熊本地震の仕組みを解説し、佐々木宏之助教が被災地熊本での医療支援活動を紹介し、今村文彦教授が東日本大震災と熊本地震の経験から得た教訓や復興へのヒントなどをお伝えします。
一方、熊本大学からは稲葉継陽教授が熊本城の震災の歴史と今後の復興について語り、藤見俊夫准教授が災害時にうまく対処するためにどうすれば良いか、などをお伝えします。

別会場では……

「講演」を同時中継しながら、大学院生らによる「熊本地震」についてのパネル展示や、防災に関するカードゲーム、
クイズなど、親子でご参加いただける企画もご用意しております。
多くの方のご参加をお待ちしております。

熊本大学HIGOプログラムと東北大学G-Safetyプログラムは、いずれも文部科学省に採択された「博士課程教育リーディングプログラム」の仲間同士です。

熊本大学HIGOプログラムとは?

医学・薬学を基盤とする「健康生命科学」の知識をもちながら、熊本・九州・アジアのニーズを理解し、グローバル+ローカル(グローカル)に活躍できるリーダーを育成しています。本プログラムには、熊本地震を受けて、本学あるいは薬学部で避難所対応をした教員や学生がいます。また、熊本日日新聞社やネパールへのインターンシップを通じて、災害時の行政の対応を学び、
「地震」という災害を経験した地域や国と熊本を結びつけて、今回の熊本地震を捉え、復興に向けたヒントを得ようとしているところです。

東北大学G-Safetyプログラムとは?

災害科学国際研究所や理学・工学・文学など、部局や専攻の枠を超えたプログラムです。「安全安心を知る」「安全安心を創る」「安全安心に生きる」ための教育を通じて、自然災害や気候変動、エネルギー問題などの多様な事象に対応できる「グローバル安全学リーダー」を育成しています。本プログラムには、東日本大震災を受けて、被災地の調査、防災・安全に関する市民への啓発活動、「減災アクションカードゲーム」の開発などの実績があります。

大地震を経験した東北と熊本。
2つの大学院プログラムの経験や知識を「明日」に活かし、地域の皆さんと共に問題解決を目指します!