Internship

インターンシップ

■公衆衛生study tour in ワシントンDC 2016.11.26- 12.3

■参加者

HIGOプログラム:4名(学生2名、特任教員2名)

■目 的

世界中(特にアジア)には、健康保健、貧困など、公衆衛生に関わる問題が多くみられ、それら問題の解決のために多様な機関が活動している。そこで、本インターンシップでは、国際機関(グローバルな視点に基づくトップダウン的アプローチ)や、民間支援機関(地域の文化的生活も考慮したボトムアップ的民間立案&主導アプローチ)を訪れ、各機関がどのように問題を解決しようとしているのかを現場で学ぶ。また、各機関の活動の意義・内容、成果などを、アカデミアの視点から客観的に検証するため、大学での研修も行う。 そして、それぞれのアプローチの問題・課題について議論し、より効率のよい問題解決への道筋を見出す方策を探る。 本インターンシップを通じて、ワシントンDCという「アジアの外」からアジアを見つめ、「グローカル(think global, act local)な視点」や「物事を俯瞰的に捉える力」などを養う。

■内 容

1日目: ワシントンDC視察
ワシントンDCの中心に位置するスミソニアン協会の博物館等を見学し、アメリカの歴史、文化、芸術に触れた。

2日目:Japan International Cooperation Agency (JICA)アメリカ事務所訪問
JICAでは、1). 日本のODA(Official Development Assistance)とJICAについて、2).保健領域におけるJICAの取組みについて、3).国際機関とのパートナーシップについて講義を受け、意見交換を行った。各機関や受け入れ先などと協調・協同して、様々な支援活動を行うことが重要であることを学んだ。またJICAは、取組みの“運転席”に乗らず、依頼主(各政府機関)に運転させ、それ対してコンサルテーションや経済支援を行っているということを学んだ。

3日目:George Washington 大学訪問
国際公衆衛生を専門とする教員から、米国での公衆衛生に関する教育、その研究環境、中国における公衆衛生研究についての講義を受けた。東アジアにおける情勢に関する講義も受け、「Health is outcome(健康は結果である)」ということを学んだ。公衆衛生の問題には、歴史や文化、経済など、いくつもの環境要因が重なっているため、問題解決のためには、それらを複合的に考察する必要があることを知ることができた。その後、ジョージ・ワシントン大学の施設見学。さらに、Urban Instituteのシニアフェローの方に、公共政策を提案立案する際におけるシンクタンクの役割について、その過程や方法、さらには現在の政治状況やヘルスケアシステムなどについての説明を受けた。

4日目:世界銀行訪問
世界銀行の概要、南アジアでの保健衛生に関する取組みや、西アフリカで流行したエボラ出血熱への対応など、公衆衛生に関わる取組みについての講義を受けた。子供の低栄養には、身体以外にも、水・農業、文化的な要因が絡んでいるという実情をふまえ、公衆衛生の問題には、医療・健康問題だけでなく、経済情勢や社会問題なども関係していることを認識することができた。 また、文化や歴史、価値観などの違いにより、PAHOの取組みが理解されず、介入が難しい場合があるが、政治あるいは宗教的リーダーを介して地元住民とコミュニケーションを重ね、信頼関係を築くことが重要であることを学んだ。PAHOは、国際機関でありながら、地域の文化思想に配慮したアプローチも行っているという実情も知ることができた。 さらに、中国におけるたばこへの課税についての講演会に参加し、演者と意見交換を行った。

5日目:Grameen Foundation(グラミン財団)訪問
CEOから、グラミン財団の沿革や理念、活動内容、グラミン銀行との関係などの説明を受けた。本財団では、インターフェースとして、「モバイルフォン(スマートフォン)」を活用し、その事業内容や貸付方法などを効率的に実施している。当初は、5-600万程度のクライアント数だったが、今はその数は14000万(約30倍)に膨れ上がっていることに驚きを覚えた。また、最大のレバレッジ効果を得るために、貸付のターゲットを女性とし、その効果が子供の教育や環境など「次の世代」に繋がるように考慮している点も大きな特徴であった。さらに、グラミンの理念に賛同し、世界中から優秀なボランティア人材が集結するため、それぞれのバックグラウンドや能力、適性に応じて活躍の場を提供し、財団の取組みに参画させ、事業を展開している。その一方で、民間主導型のアプローチのみならず、世界銀行などの国際機関とも連携した事業も展開していることを学んだ。

6日目:Pan American Health Organization(PAHO)訪問
PAHOの沿革や役割、業績、WHOの地域事務所としての意義について、動画を交えた講義を受けた。また、専門官から、国連が提唱した「ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals (MDGs、8項目))がいかに達成されたか、また、2015年に新たに設定された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals ;SDG、17項目))についての説明を受け、意見交換を行った。MDGsは発展途上国の初等教育、保健などの特定領域の問題に取り組んでいたが、SDGsでは領域横断的に協力を進め、先進国を含む全ての国の課題を解決したいという趣旨を理解することができた。

 インターンシップを終えて
世界の政治的の中心地であるワシントンDCにて、異なる立場から、公衆衛生の問題解決に取り組む5つの機関を訪問し、それぞれの考え方や取組み内容、アプローチについて学んだ。それぞれが独自の視点に立って事業を展開している一方で、実際には国際機関や民間支援機関、アカデミアの枠を越えて協調連携しながら課題解決に取り組んでいること、また、事業に応じてトップダウン的なアプローチ、地域住民固有の文化や生活に配慮したアプローチが行われていることを知った。また本インターンシップ中の講義や意見交換では、ワシントンDCにいながら、アジアやアフリカなど、解決すべき問題が起きている地域にいるような臨場感を味わうことができた。まさに「グローカル(think global, act local)な視点」に立つことができた有意義な機会となった。




■参加した学生の声

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