Internship

インターンシップ

■バングラデシュ(グラミン銀行、グラミンコミュニケーションズ) 2016.2.27- 2016.3.6

■参加者

HIGOプログラム(学生7名、特任教員1名)

■目 的

グラミン銀行、グラミンコミュニケーションズが主催するIROP(International Research Opportunity Program)研修を通じて、バングラデシュの首都ダッカと農村地域(タンガイル、ボグラ)において、貧困の現状や撲滅について考え、新しいビジネスアイデアや経済開発について学ぶことで、課題発見及び解決能力を養う。

■内 容

グラミングループとは?
バングラデシュは、近年、目覚ましい海外投資により急速な経済発展を遂げている一方で、依然として、アジアの最貧困国の一つにも数えられており、医療、教育、インフラなどが未発達な部分も多く、たくさんの課題を抱えています。そこで、マイクロクレジットシステムの先駆者であるグラミン銀行はじめ、グラミングループは、貧しい農村地域の社会的課題を解決しつつ、経済的利益の創出を目指すソーシャルビジネスを展開しています。

1. グラミン銀行オフィスでのワークショップ
IROPでホストを務めたグラミンコミュニケーションズ(GC)は、農村部における情報通信サービス、IT教育などを複合的に展開しています。また、グラミングループへの国外からのインターンシップや研修生の受け入れ窓口も務めています。研修初日は、GCよりオリエンテーション、ソーシャルビジネスに関するワークショップが行われ、参加学生はグラミン銀行が展開するマイクロクレジットシステム、グラミングループが展開するソーシャルビジネスについての理解を深めました。  ワークショップ終了後、幸運にもグラミン銀行内のユヌスセンターにて、グラミン銀行創設者にして、2006年ノーベル平和賞受賞者であるムハマド・ユヌス教授から直接お話を伺うことができ、学生たちは大きな刺激を受けました。  ユヌス教授は、今後世界が発展していくための柱として、“Zero Poverty, Zero Unemployment, Zero Carbonated Society”という「3つのゼロ(Three Zero)」の理念を掲げており、その実現に向けてアントレプレナーシップやソーシャルビジネスの必要性を説明。とりわけ、貧困から脱出するために、誰かに雇われるのではなく、自らが事業を創造し、提供する “Job Giver”として取り組んでいくことの重要性を強調していました。

2. グラミングループ企業、農村地域へのフィールドワーク
・ダッカ医科大学病院(Dhaka Medical College Hospital)。 ダッカ市内の公立病院で主に都市部の貧困層や農村部から多くの人々が通院。病院内の衛生状態やインフラは良好ではなく、一つのベッドを複数名の患者が利用したり、部屋の外にある階段や廊下で寝泊まりする入院患者がいるのは当たり前。貧富の格差や日本との医療衛生環境との違いに驚きました。 ・ダッカ大学遺伝子工学・バイオテクノロジー学科の学生らとの交流会 学生たちが互いに大学や研究活動紹介を行い、交流を深めました。 ・農村地域ボグラとタンガイル (Bogra, Tangail)  グラミン銀行の地域支部 返済作業の見学や借り手女性へのインタビューを通じて、マイクロクレジットが運用されている現場を学びました。さらに、Grameen Shakti(エネルギー分野)、Grameen Kalyan Health Clinic(ヘルスケア分野)のオフィスや、農村部の農林漁業を支援する非営利組織であるGrameen Livestock Foundationにも訪れました。  SSW(Social Services on Wheel) 日本のトヨタと提携して事業を展開しています。病院がない農村地域の住民向けに、血液検査や血圧測定などの検診を実施し、収集された検診データを都市部の医師・病院に情報を提供。住民は、農村部にいながら、都市部にいる医師とskypeなどを通じて遠隔医療診断を受けることができます。  Grameen Danone Foods フランスに本社を持つ食品企業ダノンとの合弁企業で、子ども達の栄養不足の問題を解決するために、栄養分の多い特別なヨーグルトを生産、提供する事業を展開しています。ここでは実際に、参加学生も工場見学や商品試食を行いました。都市部と農村地域とでは異なる価格を設定し、貧困層でも商品にアクセスできるようにしています。また材料の牛乳は、農村地域から直接購入し、ヨーグルトに必要な乳牛の飼育や生産管理に関しても、農村部住民への教育やトレーニングするなど、経済的自立を促す取り組みも行われていました。  Beximco Pharmaceuticals Ltd. 国内の大手製薬企業であり、製薬だけではなくジュートなどの繊維やメディア事業にも取り組む25の関連会社からなるグループ企業である。学生たちは、製品の研究開発や同社の海外事業ネットワーク、将来展望や戦略について従業員とディスカッションを行い、バングラデシュからグローバルな事業展開を行う企業動向について学びました。

3. プレゼンテーションセレモニー
最終日に、これまでバングラデシュ滞在で学んだこと、課題解決に向けた提案を中心に学生らがプレゼンテーションを行いました。参加学生は、滞在中、多くの地域で目にした環境問題、とりわけ街中に溢れるゴミ問題に焦点を当てて解決策の提言を行いました。例えば、バングラデシュ国内でも低コストで生産されているジャガイモのデンプンを原料とできる生分解性プラスチックを用いたエコバックなどの製品づくりを提言。学生たちの提案の中には、これまでに国内で検討されたものも存在しており、プレゼンを聴いたグラミンの職員からは、「実際に事業化するためには、さらなる調査研究が必要。ゴミを減らすために人々の意識や行動を変えていくための手段も検討すべき」などのアドバイスを受けることができました。

インターンシップを終えて
バングラデシュの経済発展を感じつつ、いまだ根が深い貧困問題の解決や新たに取り組まれているソーシャルビジネスの最前線を学ぶことができました。グラミングループを基盤とする現地のネットワークは、バングラデシュの経済発展や貧困、医療、エネルギーといった課題の解決への貢献を目指すものです。学生たちは、「ビジネスを通じた社会的課題の解決には、海外企業やNGOなど様々なセクターどうしの協働が必要。こうした協働は、課題解決の可能性を広げ、その対処能力を高める。」ということを学びました。 また今回の研修で、発展途上国で働くとはどういうことかを体験、実感できました。首都ダッカは大気汚染や交通渋滞が深刻であり、衛生状態も日本とは全く異なります。農村地域は停電も多く、インターネットなど通信環境も不安定であり、とくに初めて訪問する日本人学生にはストレスのかかる環境だったと思われます。発展途上国で働くためには、こうした過酷な環境に耐えうる強靭な体力やメンタルが求められることも学べたのではないでしょうか? いまだ多くの課題を抱えるバングラデシュですが、日本や欧米などの先進国と比べると若い世代が多く、今の日本では感じることができない活気がありました。実際、これから発展してゆく国のパワーを感じ、「負けてられない」と感じた学生もいました。 最後に、本研修は平成26年度HIGOプログラム・企業セミナーで、ゲスト講師を務めていただいたNazneen Sultana氏(Managing Director, Grameen Communications)の紹介・協力を経て実現したものです。また現地で、IROP研修のコーディネーターを務めていただいたグラミンコミュニケーションズのKazi Islam Maruf博士、Jessica Gomez氏らによる献身的なサポートのおかげである。この場を借りて、グラミングループのスタッフの方々に深く感謝したいと思います。ありがとうございました。






■参加した学生の声

過酷な状況で日々奮闘しながらも、自分たちが母国を支えていくことを意識し、国のより良い未来を夢見て生きているバングラデシュの若者から活力をもらった。

ダッカ大学で自分の研究を英語で発表したが、積極的に質問する学生の姿に刺激を受け、自分もまけていられないと感じた。

より高度な技術や学問を学ぶには先進国のほうが良いかもしれないが、ベトナムやバングラデシュのインターンシップを経験し、発展途上国だから学べることもあると感じた。過去の日本も、途上国と同じような道をたどってきたことを思うと、日本の発展に力を注いだ昔の人々に敬意を示したい。

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