Internship

インターンシップ

■熊本日日新聞社 2016.9.12- 2016.9.16

■参加者

HIGOプログラム(学生5名、教員のべ5名)

■目 的

・熊本日日新聞社が取材に力点を置く熊本県政の重要課題や取り組みを理解する
・熊本地震と外国人対応を学ぶことで、日本のグローカルな問題を考える
・記者に同行し、取材・執筆体験をし、添削指導を受けることで
わかりやすい文章の書き方と、メディアを通じた情報発信のノウハウを習得する

■内 容

1日目
編集委員で熊本大学客員教授も務める井芹道一氏から、地方紙と全国紙の違いや熊日の取材体制についての講義を受けた。川辺川ダム建設問題、水俣病問題と水銀水俣条約への対応、外国人観光客の熊本への誘致、熊本地震からの復興など、熊本県の重要課題についても学んだ。夕刊の編集・印刷見学後、学生たちが「私と新聞・デジタルメディア」について発表。留学生は母国(ネパール、ミャンマー、バングラデシュ)の新聞を紹介し、国の政治・歴史や言論の自由にも触れた。日本人学生は、子供の頃、地元の新聞に自分や家族の記事が掲載されたことで、地域の人たちとの交流が深まったこと、新しい漢字や語句を覚えるために新聞が役立ったことなどを語った。一方で、現在の学生の身分では、新聞を購読するお金や時間の余裕がないことから、スマホで情報を入手しているという現状を語った。プレゼンテーションの後は、新聞のあり方、新聞の将来について議論をした。

2日目
熊本総局での研修。部署の説明を受けた後、記者に同行し、藤崎宮のお祭りやデイケアセンターの取材。実際に記事を執筆し、記者の方に添削していただいた。留学生は、初日に発表した「私の国の新聞とデジタルメディア」の発表内容のポイントを文章にし、前日のディスカッションで感じたことを加えて、レポートにまとめた。

3日目
文化生活部で研修。熊本工芸会館での展示イベントなど取材に同行後、記事を執筆し、添削指導を受けた。留学生は2日間の記者同行の感想や考えたことをレポートにまとめた。

4日目
井芹編集委員から、新聞記者が心掛ける分かりやすい文章の書き方や文章構造を邦字紙と英字紙を使った講義を受けた。記事を書く上でしてはならないこと、メディアを通じた情報発信のノウハウも解説してもらった。その後、熊本市国際交流会館を訪問。八木事務局長から、熊本地震の際、外国人対応でどんな支援をしたのか、何が問題だったのか、今後に備えて何が重要かについての講義を受けた。質疑応答や議論のあと、取材の成果を新聞スタイルで記事にした。

5日目
前日作成した記事について、井芹氏による添削前後の文章を比べ、解説、アドバイスを受けた。留学生の原稿は書かれている内容や構造的な部分について指導を受けた。熊日が力をいれるNIE(Newspaper in Education=教育に新聞を)の取り組みについて、津山熊日NIEセンター長から、「医療取材と分かりやすい報道」「熊本地震で考えた医療取材の大切さと課題」については高本文化生活部長から、それぞれ話を聞いた。
5日間の研修を振り返って「地震災害復興で熊本が力を入れるべき課題」「スマートフォン時代の中で新聞に期待すること」をテーマにHIGO生が熊日の前編集局長、部長、編集委員ら4人を交えてディスカッションした。進行の一部はHIGO生が務めた。

インターンシップを終えて
地方新聞社の視点から熊本県の重要課題を知り、熊本地震に関する報道のあり方、外国人被災者への対応に関する課題や解決策について学んだ。新聞とスマホによる情報入手を比較するなど、これからのメディアのあり方についても議論できた。
今年度は、前年度の参加者からのフィードバッグを経て、記者への同行、記事執筆指導の時間を増やし、学生によるプレゼンや議論の司会進行など、学生主体の企画も取り入れた。
インターンシップ実施の2か月前から事前勉強会を実施し、1)熊日新聞や英字新聞を読み、記事内容に関する発表、2)熊日本社内の新聞博物館 「熊本地震展」の見学、3)インターンシップ中に行われる学生プレゼンの練習を行った。
本インターンシップの学習効果や影響力は大きく、参加学生は、10月8日に東北大学との連携により開催した熊本地震に関する市民公開講座において、「熊本地震を伝える ‐2016熊本日日新聞インターンシップ」および「外国人から見た熊本地震」というタイトルでポスター発表を行った。

■参加した学生の声

取材体験を通じて、正確な情報を集める難しさや的確な質問による情報の引き出し方、同じ目線に立って話すことの大切さを学ぶことができた。

自分の研究成果を社会に伝える場合、わかりやすい内容でないと、せっかくの良い成果が埋もれてしまう。今回、専門外の人にも理解できる文章を書くための技術を学ぶことができたので、これから意識して実践していきたい。

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