Internship

インターンシップ

■熊本日日新聞社 2017.9.19- 2017.9.25

■参加者

HIGOプログラム(学生4名、教員3名)

■目 的

平成29年8月に発効した水銀に関する水俣条約や、熊本地震で顕在化したアスベスト問題など、熊本発のグローカルな環境問題を報道の視点を通して学ぶ。また、熊本日日新聞の記者の同行のもと、実際に取材と執筆を体験し、添削指導を受けることで、サイエンス・コミュニケーションで重要な情報の整理の仕方と伝え方について学ぶ。

■内 容

1日目
午前は、熊本日日新聞の編集委員で、熊本大学客員教授も務める井芹道一氏から、熊本日日新聞の編集体制やメディアの現状、熊本県を取り巻く重要課題について講義があった。その後、編集局での夕刊編集作業の様子や輪転機などを見学し、新聞発行の行程について理解を深めた。午後は、学生が「私の国の環境問題」というテーマで事前に準備してきた課題のプレゼンテーションを行った。日本の放射性廃棄物埋め立て問題や中国のゴミ処理問題、フィリピンの先住民居住地区における鉱山開発など、多様な例が紹介され、被害の状況や解決方法についての議論が深まった。最後に、翌日からの取材体験に備え、井芹氏から記事の書き方についての講義を受けた。

2日目
熊本日日新聞の記者に同行し、取材体験を行った。午前中は熊本市西区にある白坪小学校を訪問し、平成28年に発生した熊本地震の復興事業の一環としてMOA美術館(静岡県熱海市)が行っている、歌川広重の作品「東海道五十三次」を活用した美術セミナーを取材した。午後は、同じく熊本市西区にある芳野小学校で行われた伝統工芸出張講座の取材に同行。講座では熊本の伝統工芸である肥後象がんの体験学習を取材した。講師による肥後象がんに関する紹介に続き、小学生たちが実際の道具を使って肥後象がんの作り方を体験するのを取材した。芳野小学校での取材同行後、熊本日日新聞へ戻り、午前中に行った白坪小学校での取材の記事を作成し、同行した記者の方に添削をして頂き、新聞記事の書き方を学んだ。

3日目
日目に続き、熊本日日新聞の記者に同行し、取材体験を行った。午前中は熊本県庁へ行き、熊本県庁が毎週出している熊本県内の感染症情報に関する取材に同行した。感染情報に関する資料自体は、県内の医療従事関係者のみに向けて発行されているものだが、熊本日日新聞は、毎週、情報を要約し掲載している。県庁訪問に際し、担当者にデータに関する質問を行い、県内の最新の感染症の状況について取材を行った。午後は熊本城近くの護国神社へ行き、熊本出身の書道家による書の奉納イベントの取材を行った。取材を行ったこの日は国際連合が制定する世界平和の日にあたり、日本全国の護国神社で一斉に平和祈願の書の奉納が行われることになっており、その一環として行われたイベントの取材であった。取材後、熊本日日新聞へ戻り、午前中に取材した熊本県庁の感染情報の取材に関して記事を作成し、記者の方に添削をして頂いた。

4日目
この日は、長年にわたり水銀問題の取材を続けている井芹氏から、現在も地球規模で続く水銀による環境汚染について講義があった。井芹氏は8月に発行した水俣条約の規制内容について説明しながら、水銀や水銀化合物による環境汚染を防止する日本と熊本の責任について述べた。午後は実際に「水銀フリー社会」実現の取り組みをしている熊本県の環境政策課を訪れた。学生による県の担当職員への取材という形で、水銀の処分の仕方や啓発活動の現状について、内容を詳しく掘り下げた。その後、これまでの取材体験で学んだことを活かし、多岐に渡る熊本県の「水銀フリー」の取り組みを、取材メモに基づいてそれぞれの視点から記事にまとめた。

5日目
最初に、県環境政策課への取材に基づいて完成させた学生たちの記事に対して、井芹氏が内容を紹介しながら、添削指導を行った。講評では、記事の書き方や構成、見出しのつけ方などを検討し、ニュースの観点から具体的な改善のためのアドバイスがなされた。その後、熊本の重要な環境問題であるアスベスト問題について井芹氏の講義を受けた。さらに、現場で取材している上田良志記者が招かれ、熊本地震後のアスベスト対策の現状について詳しい説明があった。午後は、新聞を教育に用いるNIEの活動への理解を深めるために、熊本市の中学校でNIEを実践する田中慎一朗教諭による模擬授業を受けた。実際の授業を体験することで、情報の信頼性が高く、批判的な検討もできる新聞素材の特長を、教育現場で活かす方法について学ぶことができた。

■参加した学生の声

私たちのような理系の研究者にとっても、情報を分かりやすく伝えるスキルは非常に重要である。今回記事を推敲していただいた社員の方々のおかげで、少しずつではあるが自分の中で、分かりやすい文章を書くコツをつかめたような気がする。

熊本総局のデスクの方に、記事を書く上でポリシーとしているものは何かと尋ねた時に答えて下さったことが、「言葉でどれだけ臨場感を伝えられるか」ということだった。私も今後論文等を書く上で、一般論を書きながらも自分の研究に対する熱が伝わるような文が書けるようになりたい。

The internship was a very valuable experience to me as we were able to learn how news in newspapers are being produced with a lot of thought and delicate care. This is very important as newspapers and other forms of media have a very big role in society.

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