Internship

インターンシップ

■フィリピンインターンシップ 2017.1.19-1.27

■参加者

HIGOプログラム:4名(学生2名、特任教員2名)

■目 的

西ヴィザヤ地区イロイロで研修を実施し、現地の医療・教育貧困問題などを自分の目で見て学ぶ。世界保健機関(WHO)、国際開発銀行(ADB)などを訪れ、アジア地域のニーズや課題と問題解決について学び、国際貢献に必要な素養を身につける。

■内 容

イロイロ市内の小学校の訪問
現地の教育現状と教育レベルを知るため、イロイロ市内の小学校(Mandurriao Elementary School)を訪問し、校長及び教頭先生と意見交流会を行った。フィリピンでは政策として、栄養失調の児童に無料で給食を提供するFeeding Programを実施している。学校敷地内で、給食の材料となる農作物を栽培し、成績優秀な児童を特別クラスで学ばせるなど、教育・食育に着目した政府の多様な活動を知ることができた。

ゴミ山訪問
フィリピンでは、大気汚染を防ぐため、ゴミの焼却が禁じられており、ゴミは指定区域のゴミ山に集積されているが、様々な、環境汚染問題も生じている。そこで、政府はゴミ山を無くすために、多数のプログラムを立ち上げ、衛生埋立地などのゴミ処理用施設を設置した。そのため、前に比べてゴミ山の規模の規模は縮小したが、ゴミ処理施設が十分に機能せず、メンテナンスもできていないなどの問題も新たに発覚した。

ホームステイ、住民への生活・健康などに関するインタビュー
日本の住宅とは異なり、水道設備も整っておらず、床が土のままのところもあり、雨風の影響を受けそうな簡素な小屋であった。住民の食生活は改善されつつあるが、高血圧、肥満などの生活習慣病も出始めている。医療に関する知識が少なく、誤った薬を服用しているケースも見られた。さらに、伝統医療(薬草)に依存していることなど、ホームステイを経験したからその発見が多かった。

解決策のプレゼンテーション
インターンシップ実施前から、事前勉強会で問題点を想定し、解決策について話し合ってきた。実際に現地を訪れ、現状を見た上で、グループに分かれてボランティアと議論。「自分にできること」、「現地住民にできること」、「政府にできること」という3つの視点から、より具体的で実現可能な解決策を発表できた。

WHO 西太平洋事務所を訪問
世界保健機関(WHO)は、人間の健康を基本的人権の一つと捉え、その達成を目的として設立された国際連合機関である。今回は、日本が所属する西太平洋地域事務局(WPRO)を訪問し、WPROの沿革、国際支援及び活動状況、感染症対策、リスクマネージメント、禁煙活動、伝統医療などについて勉強し、最先端の政策機構を体験できた。

WPROメンタルヘルス推進国際会議の参加及び人事担当とのディスカッション
アジアを中心に、各国のメンタルヘルスの専門家やリーダーなどが集結したメンタルヘルス推進国際会議に参加し、アジア地域でのメンタルヘルス推進活動状況、予防推進現状及び方法などについて学習。さらに、WPROの人事担当との意見交換を通じて、WHOが求める人材の条件が「経験、知識、協調性、やる気」の4つであることも学んだ。

アジア開発銀行(ADB)への見学
ADBは、capital marketや国からの出資によって資金を調達し、アジアの発展途上国に貸与することで、問題解決を行う組織である。ADBフィリピン事務所を訪問し、ラオス、ベトナム、ミャンマー、カンボジアに出資し、病院建設などのインフラ整備・感染症予防・SARSやMARSに対するhealth securityを行っている活動を学習。ADBとWHOの間で、求める人材像が似ていることも認識できた。

インターンシップを終えて
イロイロ市では、フィリピンの生活環境、医療システム、医療の現状など、現場が抱える様々な課題について身をもって感じることができた。一方で、2つの国際機関では、政策立案などの観点や方針を学ぶことで、公衆衛生の最前線で起こっている諸問題の解決の難しさに加え、政策と現場のニーズの間にギャップがあることを痛感した。また、厳しい競争環境の中で一流の国際組織で働くのは容易ではないことを改めて認識することができた。本インターンシップの経験は、学生たちのキャリア形成にとって、貴重な財産となってくれることを期待している。

■参加した学生の声

I learnt about Philippines, about the people, their culture and approach to life. Homestay at “Dump site” opened my eyes, made me think of hardships in life. I got inspired and charged to do something good for these people. Through active discussions with local NGO (LOOB) members we thought of some solutions that can increase the QOL of these people. I also learned about the difference in support style of international organizations such as WHO and ADB. This internship gave me huge motivation for future, good connections, wonderful new friends and unforgettable memories.

NGO, WHO, ADBは、同じ問題に取り組んでいるが、取り組み方は三者三様であったのがよく理解できた。①NGOは地元の住民に密着したサポート、②WHOは、広い知識や統計を生かした専門的な助言、③ADBは、巨額のお金を投資し、設備を整えることで、問題を解決する。私は、NGOのように人と人の関わりが強い組織で働きたいと感じた。

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