Internship
インターンシップ
■米国ワシントンDCインターンシップ 2013.9.29- 2013.10.5
■参加者
HIGOプログラム:11名(学生9名、プログラム委員1名、特任准教授1名)、
International Institute of Global Resilience (IIGR):深見真希博士はじめ10名以上の方々
■目 的
実務場面で直面する問題解決のため、状況に即応した意思決定、行動、管理能力を習得し、具体的に実践できる能力を身につける。
(実務場面とは、健康生命関連実務(行政、企業、教育研究など)として、幅広く想定)
■内 容
1日目 FEMA training
アメリカ合衆国連邦緊急事態管理庁(Federal Emergency Management Agency of the United States、略称:FEMA)公認のトレーナーであり、メリーランド大学教授のKathleen Henning氏によりFEMA、ICS(Incident Command System)の概要および各セクションの機能、関連性に関するレクチャーと、緊急時を想定したシミュレーション訓練プログラムを受けました。
2日目 FEMA training
引き続き、Kathleen Henning氏による、より複雑な状況を想定した、FEMAシミュレーション訓練プログラムを受けました。グループで討論、プレゼンテーションし、参加者全員でディスカッションしました。
その後、Joseph Barbera博士、Leo Bosner氏、 Takeshi Nagata博士からICSを用いた実際例や具体例についてのレクチャーを受けました。
この2日間のシミュレーション訓練プログラムにより、ICSを用いた問題解決、意思決定、マネジメント、リーダーシップに関する知識とそれらを取り扱うスキルを学ぶことが出来ました。
3日目 Business management
この日から、健康生命に関するビジネス・起業に関するプログラムです。まず、Sachiko Kuno博士からは起業精神について、キャリアアップを成功させていく秘訣について、Ryuji Ueno博士からはプロストン(プロスタグランジン代謝物)の概要と、その発見を如何にして起業に結び付けたのかについて、レクチャーを受けました。
その後世界銀行にて、Naoko Ohno博士より、世界銀行の役割と実際にどの様な活動を行っているのかについてレクチャーを受けました。その後研修施設へ移動し、Shinichi Nozaki氏 から、日米での医療制度に関するレクチャーを受けました。
4日目 Medical/Health Business
モントゴメリー州立イノベーションセンターにて、センター長のJohn A. Korpela氏からモントゴメリー州がどの様にして起業・イノベーションをサポートしているのかついて、さらに同施設にて実際に起業したWataru Akahata博士からワクチン開発に関する研究内容と、それを基にしたイノベーションセンターでの活動についてのレクチャーを受けました。
また午後からは研修施設に移動し、Devang Thakor博士からアメリカ特許システムについて、また起業精神についてのレクチャーを受けました。
この2日間のプログラムにより、健康生命分野におけるビジネスの現状や起業、さらにリーダーシップに関する知識・精神を学ぶことが出来ました。
最終日 Field work
より俯瞰的な視野を広げるために、ワシントンDCおよびその周辺の公共・文化・歴史・芸術・政治に関する施設を見学するフィールドワークを予定していました。
しかし、17年ぶりアメリカ連邦議会の混乱から、政府所管の施設がほぼ全て閉鎖されてしまいました。そこで、研修施設の近郊で唯一訪問可能であったマウントバーノン(アメリカ合衆国バージニア州アレクサンドリア近くに位置し、アメリカ合衆国初代大統領ジョージ・ワシントンのプランテーションがあった所)を訪問し、アメリカ建国の歴史・精神について学びました。
インターンシップを終えて・・
今回のプログラムでは、多彩なテーマのトレーニング、レクチャーが行われました。
それらはいずれもHIGOプログラムが目指すリーダーに関連するものです。ワシントンDCという世界の政治、経済、研究の中心地で活躍する方々から直接レクチャーやトレーニングを受けたり、数多くの日本人が活躍する姿を間近に見たり、更にその方々と交流を持てたことは、参加者の中に明確なキャリアモデルやentrepreneurship、今後の自身の活動に対する思いなどを強くイメージで来た1週間であったと思います。
また、アメリカ議会の予算審議が頓挫したことにより、ワシントンDCの政府系施設のみならず、地下鉄の本数、官庁街周りの店舗などいたるところに影響が出ました。それらを含めて、アメリカの政治、経済、文化、歴史、そしてコミュニティーを肌で感じることが出来たことは非常に大きな経験になったと思います。このDCプログラムを通じて彼らが感じたものを今後も継続し、さらなる高みを目指して日々の活動に生かして欲しいと感じています。
日頃なじみのないテーマに関するトレーニングやレクチャーが英語で行われることから、学生がどれだけプログラム内容についていけるのか、更に受け身にならずそれを踏まえてプレゼンテーションやディスカッションにまで至ることが出来るのかという一抹の不安はありました。しかし、これまでのHIGOでの講義、セミナーやインターンシップ、さらには日常の活動の積み重ねによる参加者の能力の向上、そしてこのDCプログラムに対する学生たちの高いモチベーションもあって、積極的に質問する姿やレベルの高いプレゼンテーションが随所に見られ、これまでのHIGOの活動が生かされた非常に評価できるプログラムだったと思います。
最後に、このプログラムの成功はIIGRの深見真希博士、佐伯加奈子氏、S&R Foundation Sachiko Kuno博士、Scumpo社 Ryuji Ueno博士をはじめとした多く方々のご尽力に因るものです。この場を借りて、改めて心から感謝申し上げたいと思います。
文責 久恒昭哲
■参加した学生の声
このインターンシップが開催されたのが、世界のリーダー的存在であるアメリカであり、世界で活躍するリーダーを多数輩出しているアメリカの雰囲気や空気に触れることができた。ネイティブスピーカーと交流し、本物の英語の講義を受けることで、自分の英語力(英語でのディスカッション力)、対話力、コミュニケーション能力を計り知ることができた。これにより、今後、自分の英語のみならず社交性に関しての課題が見えたと思う。また、場所は英語圏だが、会話は日本語ということに陥りがちだが、授業はもちろん、普段の会話も英語(留学生の存在や、講師の先生との会話や質疑応答、発表など)だったので、実際に英語を話す機会が多く与えられ、全体の英語力がわずかだがアップしたのではないかと思う。
現在の仕事を頑張る事が将来の仕事に繋がるという一見当たり前の結論ですが、非常に具体的なアドバイスを下さって、visionが明確になりました。
将来のビジョンの一つを与えて下さったことを本当に幸運に思い、感謝している。