Internship
インターンシップ
■ネパール カトマンズ 2016.9.25- 2016.10.2
■参加者
HIGOプログラム(学生8名、特任教員2名)
■目 的
ネパールの歴史や政治・文化、科学技術の実態を学ぶ。また、2016年熊本地震を受けて、2015年のネパールゴルカ地震からの復興に向けた政府、大学、民間組織の対応や日本による支援を学び、現地の課題やニーズを自ら発見・解決するための素養を身につける。
■内 容
1. ネパールに対する理解を深めるためのセミナー
日本や欧米で博士号を取得したネパール人研究者たちの組織であるKathmandu Institute of Applied Sciences (KIAS)とHIGOプログラムのジョイントセミナーを開催。ネパールの文化、民主化の歴史、標高に応じた地域ごとの民族性の違い、科学技術の動向などを学ぶことができた。参加学生らはHIGOプログラムや自身の研究内容について発表した。
2. ネパール地震とその復興を学ぶ機会
・National Reconstruction Authority (NRA)
NRAは2015年4月および6月の大地震を受けて同年12月に設立された「復興庁」のような機関である。ここでは被災状況の調査・評価や復興計画の立案のプロセスや政府の予算の活用などの実態を学んだ。参加学生は2016年熊本地震について、熊本大学の被災状況や避難所設営、復旧の経過などを発表し、政府職員と意見交換を行った。
3. 国立病院 Bir Hospitalの見学
カトマンズ市内の国立病院 Bir Hospitalで入院病棟や人工透析の現場を見学。日本との医療・衛生環境との違いに驚いた。
4. Asian institute of technology and management(私立大学高校)での学生交流
分子生物学などを専攻する学生と互いの国の文化、研究内容や地震体験などについて意見交換を行った。研究室見学では国立大学に比べて私立大学の設備がはるかに充実しているという実情を知った。インターンシップ終了後もSNSを通じた交流が続き、学生の新たな人脈構築にもつながった。
5.文化遺産の視察
Swayambhunath Stupa, Pashupatinath Templeなど、仏教とヒンズー教の寺社を訪れ、死体を焼却して川に流す儀式など、日本では馴染みのない宗教習慣を知ることができた。また、ネパール地震から1年半後の市街の再興の現状を垣間見ることもできた。
◆ インターンシップを終えて
ネパール出身の特任教員の人脈により、政府、大学、民間組織、JICAなど様々な立場からネパール地震とその復興政策を学ぶ機会を得ることができた。参加学生の姿勢も積極的で、平成28年熊本地震を受け、災害マネジメントに関心を示した学生が目立った。実施の1ヶ月以上前から、事前勉強会を開催し、HIGOプログラム、各自の研究内容、熊本地震を紹介するためのプレゼンの準備を行った。研修中は日本人学生と留学生が活発に議論し学習内容を振り返り「ネパール地震と熊本地震が教えてくれたこと」というタイトルでポスターを作成した。
また、10月8日に東北大学との連携で開催した熊本地震関連の市民公開講座で展示・発表することもできた。
■参加した学生の声
・昔ながらのレンガ造りの建物が多く見受けられるネパールにおいて、ただ、元の姿に戻すのではなく、以前よりも良い形での復興を目指す“Bui l d Back Better ”のスローガンには大変感銘を受け、再び災害が起きた時の対応にも役立つ精神だと感じた。
・現地に行って初めて、ネパールの人たちは日本よりも地震に対して危機感を自覚していないことを知った。日本もネパールもともに地震大国であるからこそ、自分たちの命を守るための危機管理は重要である。
・ネパールの衛生環境やインフラの改善は必要だが、豊富な資源を活用して観光産業を強化し、就学率や就業率の向上につなげることも大切である。